
前回の記事では、「とにかくやってみる!」という考え方を、デザイン思考のプロトタイプの観点からお伝えしました。
小さく試してみることは、起業においてとても重要ですが、実はそれだけでは不十分です。
大切なのは、「試した結果をどう活かすか」。
ここで出てくるのが、デザイン思考の「テスト」という考え方です。
今回は、実際の事例を交えながら、テストの重要性と活用方法について解説します。
テストとは何か?
デザイン思考におけるテストとは、試作(プロトタイプ)を実際に使ってもらい、その結果を分析して改善につなげるプロセスです。
ただ試して終わりではなく、ユーザーの反応を観察し、得られたフィードバックをもとに調整を行います。
テストをすることで、
- ユーザーの本当のニーズが見えてくる
- 自分の仮説が正しかったのか検証できる
- 改善の方向性が明確になる
といったメリットがあります。
事例①:整体院の新メニュー開発
ある整体院では、「デスクワークで肩こりがひどい人向けの特別コース」を考えました。
最初に、常連のお客様に無料または割引価格で体験してもらう形で プロトタイプ を実施。
その結果、次のようなフィードバックが得られました。
- 施術後は楽になったが、1週間後には元に戻ってしまった
- 肩だけでなく腰もつらいので、一緒にケアしてほしい
- 施術時間が短いと感じる
この情報をもとに、次のような テスト を実施。
- 施術内容を変更し、肩と腰をセットでケアする形に
- 施術後に自宅でできるストレッチ指導を追加
- 施術時間を10分延長し、価格を少し上げる
テストを繰り返すことで、お客様が本当に求めている施術内容にブラッシュアップできました。
単に「やってみた」だけではなく、結果を分析し、調整することが重要なのです。
事例②:シェアキッチンでのお弁当販売
あるシェアキッチンでは、健康志向の高い人向けに「低糖質弁当」を販売。
最初のプロトタイプとして、週に1回、数量限定で販売を開始しました。
販売後、購入者へのアンケートを実施し、次のような反応がありました。
- 味は美味しいが、もう少しボリュームが欲しい
- 価格が少し高いと感じる
- 仕事帰りに買いたいが、売り切れていることが多い
このフィードバックをもとに、
- 低糖質でも満足感のある食材(ナッツやチーズ)を追加
- 価格を少し下げる代わりに、原価の見直しを実施
- 夕方にも販売できるよう、予約システムを導入
といった テスト を実施。
結果として、リピーターが増え、売上も安定するようになりました。
「テスト」で次につなげる力をつける
1人起業家にとって、「とにかくやってみる」ことは大切ですが、その後の テスト(検証と改善) を行わないと、単なる経験で終わってしまいます。
- お客様の声をしっかり聞く
- 数値データを分析する(売上、リピート率など)
- 仮説を立てて、新しい方法を試してみる
このように、ただ試すのではなく、「試した結果をどう活かすか」を考えることが、成功につながるポイントです。
その結果、より良い商品やサービスが生まれます。
1人起業家にとって、リソースは限られています。その中で最も効率的にビジネスを成長させるために、デザイン思考の テスト の視点をぜひ取り入れてみてください!
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