
悩みの本質を明確にして、間違った方向に進むリスクを減らそう
1人でビジネスしていると「なぜ上手くいかないのか?」と悩むことが多いですよね。
でも、問題の解決策を考える前に、そもそも「本当の問題は何か?」を正しく理解できていないことも多いです。
デザイン思考では、問題を整理し直すステップを「定義(Define)」と呼びます。
これをしっかり行うことで、間違った方向に進むリスクを減らし、的確な解決策を見つけることができます。
今回は、ひとり起業家が抱えがちな悩みを、デザイン思考の「定義」の視点から解決する方法を紹介します。
デザイン思考は「共感→定義→発想→試作→テスト」の5つのステップからなります。
その中でも「定義」は、問題の本質を明確にし、解決策を考えるための土台を作るステップです。
例えば、売上が伸び悩んでいる場合、「売れないから価格を下げよう」とすぐに結論を出すのは危険。
本当の原因が「商品の魅力が伝わっていない」ことであれば、価格を下げても効果はありません。
「本当に解決すべき問題は何か?」を整理し、正しく定義することが重要になります。
集客が上手くいかないオンライン講師
悩みの整理
Aさんは、オンラインでハンドメイド講座を開いていますが、「なかなか新規の受講生が増えない」と悩んでいました。Aさんは「集客力が足りない」と考え、広告費を増やすことを検討していました。
定義を見直す
Aさんは、デザイン思考の「共感」のステップを取り入れ、過去の受講生に「なぜこの講座を選んだのか?」をヒアリングしてみました。すると、多くの人が「Aさんの作品の雰囲気が好きだったから」と答えました。一方で、講座の内容自体については「どんなことが学べるのか分かりにくかった」という意見がありました。
ここで、「本当の問題は集客力ではなく、講座の内容が伝わりにくいことでは?」と考え直しました。
正しい問題の定義
Aさんのケースでは、「新規の受講生が増えない」問題の本質は、「講座の魅力が適切に伝わっていないこと」でした。そこで、以下のように問題を再定義しました。
× 集客力が足りない
○ 講座の内容や魅力を、分かりやすく伝える方法を見つける必要がある
この新しい視点から、Aさんは講座紹介のページを見直し、「レッスンの流れが分かる動画を作る」「過去の受講生の声を掲載する」などの改善策を実施。その結果、申し込み率が上がりました。
ハンドメイド作家の売上が伸びない問題
悩みの整理
Bさんは、オリジナルのアクセサリーをネット販売しています。しかし、「価格を下げてもなかなか売れない」と悩んでいました。
定義を見直す
「売れない = 価格が高い」と考えてしまいがちですが、本当にそうでしょうか?Bさんは購入者にアンケートを取ったところ、「デザインは好きだけど、実際に着けたイメージがわかりにくい」との声が多いことに気づきました。
正しい問題の定義
Bさんの問題は「価格」ではなく、「購入前に商品の魅力を十分に伝えられていないこと」だったのです。そこで、次のように問題を再定義しました。
× 価格が高すぎるから売れない
○ 購入前にお客様が実際に着けたイメージを持てるようにする必要がある
Bさんは、これを解決するために「モデル着用写真を増やす」「バーチャル試着機能を導入する」といった工夫を行いました。その結果、値下げをしなくても売上が向上しました。
1人起業家にとって、問題の本質を正しく捉えることは、ビジネス成功の鍵となります。
「定義」のステップを意識し、表面的な悩みに振り回されず、本当に解決すべき課題を見極めましょう。
デザイン思考を活用すれば、無駄な施策を減らし、より効果的な解決策を見つけることができます。
あなたもぜひ、デザイン思考の「定義」を取り入れて、ビジネスの課題をクリアにしてみてください!
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